サーボの電気制御

サーボモーターとは物体の位置を制御量として、目標値に追従するように自動で作動するモーターです。

サーボアンプ
キーエンス SVシリーズ

といっても難しくありません。 簡単に言えば単純にモーターをON・OFFするのではなく、 何mm動けといった位置を指定して動かすことができるモーターです。

PLCでサーボモーターを動作させるときは、PLC→サーボアンプ→サーボモーターの順番で命令します。

当方は三菱電機、キーエンス、オムロンのサーボを制御するシステムを開発した実績がありますが、今回は初心者でも分かりやすいキーエンスのサーボ制御を紹介します。

キーエンスのサーボアンプはKV−MOTIONと呼ばれるPCソフトでプログラムを書くことなく、速度や動きの設定ができます。

PLCで組むプログラムはデータメモリで位置を指定し、サーボアンプにサーボ動作命令を行うだけです。

百聞は一見にしかずということで、プログラムを見てもらいます。 (PLCに接続するサーボモーションユニットはKV−ML16V、サーボアンプはSVを使用。)

・サーボ電源ON

↓画像をClickで拡大↓

三菱電機のPLCでいうX番号(入力)・Y番号(出力)は、キーエンスのPLCではR番号(入力・出力とも)になります。 またLR番号はラッチリレーと呼ばれ、三菱電機のPLCでいうM番号で電源を切ってもON・OFFの状態を保持しているリレーです。

CR2002は常時ONの特殊リレー(常に接点は繋がっています)です。R11600(動作許可)、R14113(軸1サーボON)は、 PLCのサーボモーションユニット(KV−ML16V)の設定時に自動で割り振られる番号です。

※以下同様ですが、サーボ制御に使用するR番号はサーボモーションユニットの設定時に自動割り振りされます。 このR番号は設定によって番号が変わりますので、ご注意ください。 このサイトのR番号はあくまでも一例としてください。 どの番号のどのリレーかはKV−ML16Vのマニュアルに表があります。

このプログラムではまずPLC起動時にサーボの電源をONにしています。

・位置決めの値をサーボアンプに設定

↓画像をClickで拡大↓

200mmの位置に移動するよう値をサーボアンプの目標位置格納バッファ領域に書き込んでいます。 UWRIT命令文はバッファアドレス18016(開始ポイント番号1の目標位置格納領域)に、 データメモリDM500に格納されている値:200を書き込む命令です。

※キーエンスのデータメモリはDM番号になります。またバッファアドレスもKV−ML16Vのマニュアルに表があります。 位置決めの単位mmはKV−MOTIONで設定します。

・位置決め指令

↓画像をClickで拡大↓

R000(入力)を運転開始ボタン、R1000(入力)を運転停止ボタンとしています。

U_WRPPNT命令文で目標位置格納した開始ポイント番号1を設定し、 サーボ位置決め制御開始リレーR10000をONしています。 これでサーボが200mmの位置に移動します。

※SET命令文は一度リレーをONしたら、RES命令を行うまでOFFになりません。 位置決め制御開始要求をサーボアンプが受け付けたら(R10800で判断)、R10000をOFFにしています。

※位置決め完了(=200mmの位置に移動完了)したら、R10802がONします。その時点でR10002をOFFにします。 (これはお決まりですので深く考えないでください。)

運転停止したいときは減速停止リレーR14002をONにします。

・サーボを動作させるだけのプログラムはワンパターン

上記紹介したサーボプログラムは実は、KV−ML16Vのマニュアルのサンプルプログラムとほとんど同じです。

サーボを動かすだけのプログラムは決まり決まったワンパターンプログラムになっています。 (どのように応用的に動かすかが、電気制御技術者の設計力の見せ所です。)また同期制御(例:サーボモーター軸1と軸2を同期して動作させる制御)もサンプルプログラムと設定でできます。 詳しくはKV−ML16Vのマニュアルを参照ください。